妹の爆弾発言

何かと予想外だった手術だが3週間を過ぎる頃には体調もすっかり元に戻った。

そしてそこから2ヶ月ほど。
相変わらず妊娠の気配すらなく検査薬だけが大量消費される状態が続いていた。
そんなある日、実家から着信が。
「どうしたの」
『久しぶりー』
母からだった。やけに声が弾んでいる。なんかいいことでもあったのか。
近くに妹もいるらしく声が聞こえる。
『あのねー、言ってもいい?』
電話の向こうで妹に改めて確認してる。
『妊娠したんだって!』

なんですと⁉

ここで盛大に注釈を入れたいが妹は未婚。
つまりわたしは独身の妹に先を越されてしまったのだ。
確かに妹が元カレとよりを戻したとかいう話は聞いていた。聞いていたけど。
いきなり足元がストンと1階分くらい落ちたのかと思った。
「ほんとにー、おめでとう!」
そこからは結婚したらどんな名字になるのとかいつ産まれるのとかいろいろ訊いた。
このとき夏だったのだがまだ病院で妊娠が確定したばかりで産まれるのは9ヶ月後の春になるとのこと。とりあえず今度ダンナ予定の人が挨拶に来て新居を探して秋か冬頃には入籍して一緒に住むこと。出産後落ち着いたら海外挙式をしたいと思っていること。
わたしも面白そうなので挨拶には顔を出すことにした。この機会を逃しては妹のダンナの顔を見ておく機会などなかなかないだろう。現にそこから約2年半が経過している今まででも妹のダンナに会ったのはほんの数回だ。

確かに妹のおめでた話は嬉しい部分もある。
でもやっぱり複雑だ。
ただこれで一つ間違いないことは母からのマゴマゴコールはなくなるだろうということだ。とりあえずダンナ側のきょうだいにはもう子どもがいるしうちの親も妹が子どもを産めばこのよくわからないプレッシャーからは多少は解放される。
今まではわたしがきょうだい唯一の既婚者だったので「ビョウインイケ」「フウフデケンサ」とか親としてあるまじき範囲にまで口を出してきていたが今後はそんなことはなくなるはずだ。
まあそれを利用して「クチヲダスナラカネモダセ」と費用を少し出してもらっていたのであまり文句も言えないわけだが。

正直この頃は自分が子どもがほしいのかただ単に妊娠出産というものを経験してみたいだけなのかよくわからなくなっていた。
なんか妊婦さん見かけるだけで落ち込むとか精神状態も変な方向行ってた。
だから一旦病院に通うのをやめた。
なんかちょっと疲れていたのでとりあえず一休みしたかった。

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