陣痛促進剤中止

自分のお腹にいる子どもなのにわたしには何もできなかった。
胎動もなくなっていた
苦しくて暴れる、ということもなくこの子は静かに死んでしまおうとしているのか。
怖くてたまらなかった。
ダンナも帰ってしまっていたから一人で不安だった。

「点滴中止して! これ以上は危ない
すぐさま陣痛促進剤の点滴の機械が止められた。

わたしが幸運だったのはそれが点滴による陣痛で、止めても本陣痛が来ていなかったことだろうか。
点滴を止めたので、だんだん陣痛が遠のいていった。

胎児の心拍も持ち直した。

30分くらい経って助産師さんに言われた。
「旦那さんに連絡取れる? このまま帝王切開になるかもしれないから同意書貰ってる時間はないけど同意はしてくれそう?」
「電話してみます」
そのときまで子どものことでダンナにメールすらしていなかったことにようやく気がついた。
『どうした?』
もちろん何も知らないダンナに事情を説明した。わたしもまだかなり混乱していたから喋るだけで何度もつっかえた。
『それで、大丈夫なの?』
「うん、点滴止めたら持ち直したっぽい。でもまだよくわかんない」
またいつ同じことが起こるかと思ったら怖くて仕方がなかった。
「とりあえず同意書なしで帝王切開になってもいいか確認するように言われてて。それは別に大丈夫だよね?」
『うん。俺にはよくわからんし。それがいいなら。夕方仕事終わったらすぐ行く』
ダンナも予想外の出来事にかなり驚いていた。

しばらくして助産師さんが戻ってきた。
「旦那さん大丈夫だって?」
「はい。夕方に来るそうです」
「そうか、よかった。じゃあもうちょっと様子見るね」

胎児の心拍のモニタリングはそれから2時間以上続けられた。
その間、もう心拍の低下は起こらなかった。
少しずつ胎動も感じられるようになった。

それで大丈夫だと判断されたようだ。
「普通帝王切開のときは前日から食事抜いて備えるんだけど今はそれもできてないから明日の昼に帝王切開にするね。同意書も作ってくるから旦那さん来たときに印鑑持ってきてもらえるように伝えてね」
「はい」
今日はもう手術はしないらしい。

このとき、助産師さんにはそう説明されその場では子どものことで頭がいっぱいで何も疑問に思わなかったけど、今となってはいくつか疑問点がある。
普通胎児の心拍が下がったような場合は緊急帝王切開すべきではないのか。
→あとでまた検索しまくったけど心拍低下後に1日おいて手術したなんて話は見つからなかった。
手術を当日中にしなかったのは何か別の事情があった、という可能性はないか。
→この日は院長先生が非番の日で、外部の病院から別の先生が来ているはずの日だった。小さいクリニックで診療時間内でも基本医師は1人しかいないので手が足りなかったから緊急手術はよほどのことがない限り避けたかったということではないのか。
結果としてわたしは助かったので文句を言う筋合いはないし判断も間違っていなかったと思う。でも何かあってからでは遅い。
産院を選ぶときは緊急手術の体制がどの程度整っているかも確認してから選んだ方がよかったのかもしれない。
自分の身にこんなことが起こるなんて考えてもみなかったので家から近くて通いやすいし何かあったときにすぐに行けるという単純な理由で選んでいた。…すぐに行けたとしても対応が不十分では意味がない。

そして最後にもう一点。
わたしの子が心臓止まるかもしれないという状態だったのに、先生は一度も来てくれなかった。

これが産院ではよくあることなのかわからないし助産師さんは一生懸命対応してくれてそれには感謝してるけど、切迫早産の診断以来一度も先生とは話していなかった。そしてこのときも少しも顔を出してくれないのでわたしは不安になっていた。


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