その後、結構しっかりした量の昼食が出てきたので「きっと長引くだろうし晩ご飯食べれるかわからないから」と考えたわたしはしっかりそれを平らげた。
陣痛は「ちょっとお腹きついかな」くらいの強さだったから食べるのに支障はなかった。
それから「好きな姿勢取ってていいよ」と言われたので座っていたら「陣痛が付きにくくなってるから寝てた方がいいかも」と言われたりみんな助産師さんなのに人によって言うことが違うのでなんだかよくわからない感じになっていた。 陣痛促進剤は少しずつ量が増やされていって「入れられるMaxの量」だと言われていた。
「なかなか陣痛つかないねー」
「そうですね。まだ大丈夫だし」
早いところ子どもの顔が見たいくらいしか考えていないわたしは暢気なものだった。
でもだんだん陣痛は強くなっていき波が来ると「いてててててて…」となるくらいの痛みになっていた。
それが午後1時前くらい。
それは、本当に、突然だった。
「大丈夫⁉」
突然助産師さんが部屋に飛び込んできた。
(え?)
まだ陣痛もそんなに耐えられないほどでもないのに、何が起こったのか、わたしにはわからなかった。
「赤ちゃんの心拍が下がってる!」
聞いた瞬間スッと、手足の先の感覚がなくなっていくような錯覚に襲われた。
「なんで」
とっさにそれしか言えなかった。
幸いそこから陣痛の波がいったん引くと同時に胎児の心拍は持ち直した。
助産師さんもほっとして声をかけてくれた。
「陣痛が来てるときに苦しいからって息止めちゃうと赤ちゃんに酸素がいかなくなることがあるからね。深呼吸してね」
「はい」
「あとは赤ちゃんがお腹の中で自分のへその緒踏んじゃってたりしたのかもしれないね。もう心拍戻ったし大丈夫だよ」
大丈夫の言葉にわたしもちょっと気が抜けた。
「びっくりしました」
「そうだね。ちゃんと深呼吸してね!」
「はい」
そう言って助産師さんは部屋を出て行った。
普通に考えて心拍下がるって、ちょっと息止めたくらいじゃ起きるはずがない。
どのくらい酸素の供給が止められたらそこまでになるんだろう。
お腹の中で何が起きてるんだろう。
何もわからない。
(深呼吸、深呼吸)
それでも子どもを助けるにはそれしかないんだと思ってゆっくりと呼吸を続けた。
次の陣痛の波が来た。
(深呼吸、深呼吸)
落ち着いて呼吸してれば大丈夫。そう考えて息を吸って吐くことに集中した。
なのに。
「ごめん、ちょっと入るよ!」
今度は師長と先程の助産師さんの2人が駆け込んできた。
「大丈夫? 息止めてない? ちゃんと息してる⁉」
「はい」
「赤ちゃんまた心拍下がってる!」
「え?」
ちゃんと呼吸してたのに、なんで?
赤ちゃん苦しいの? わたしにはわからなかった。
赤ちゃんが死にかけてるのに、わたしにはわからなかった。
ぞっとした。泣きたかった。もうどうしていいのかわからなかった。
ずっと一緒にお腹にいたのにこの子はどうなっちゃうの?
会えないの? もうだめなの?
ずっと元気って言われてたのに?
なんで?
わたしは呆然とするばかりだった。
胎児の心拍は通常120~130くらいあるのだがそのときは50にまで下がっていたと、後から知った。
ずっと安定していた心拍のグラフが2度、大きく下がっていたのを今でも覚えている。
陣痛は「ちょっとお腹きついかな」くらいの強さだったから食べるのに支障はなかった。
それから「好きな姿勢取ってていいよ」と言われたので座っていたら「陣痛が付きにくくなってるから寝てた方がいいかも」と言われたりみんな助産師さんなのに人によって言うことが違うのでなんだかよくわからない感じになっていた。 陣痛促進剤は少しずつ量が増やされていって「入れられるMaxの量」だと言われていた。
「なかなか陣痛つかないねー」
「そうですね。まだ大丈夫だし」
早いところ子どもの顔が見たいくらいしか考えていないわたしは暢気なものだった。
でもだんだん陣痛は強くなっていき波が来ると「いてててててて…」となるくらいの痛みになっていた。
それが午後1時前くらい。
それは、本当に、突然だった。
「大丈夫⁉」
突然助産師さんが部屋に飛び込んできた。
(え?)
まだ陣痛もそんなに耐えられないほどでもないのに、何が起こったのか、わたしにはわからなかった。
「赤ちゃんの心拍が下がってる!」
聞いた瞬間スッと、手足の先の感覚がなくなっていくような錯覚に襲われた。
「なんで」
とっさにそれしか言えなかった。
幸いそこから陣痛の波がいったん引くと同時に胎児の心拍は持ち直した。
助産師さんもほっとして声をかけてくれた。
「陣痛が来てるときに苦しいからって息止めちゃうと赤ちゃんに酸素がいかなくなることがあるからね。深呼吸してね」
「はい」
「あとは赤ちゃんがお腹の中で自分のへその緒踏んじゃってたりしたのかもしれないね。もう心拍戻ったし大丈夫だよ」
大丈夫の言葉にわたしもちょっと気が抜けた。
「びっくりしました」
「そうだね。ちゃんと深呼吸してね!」
「はい」
そう言って助産師さんは部屋を出て行った。
普通に考えて心拍下がるって、ちょっと息止めたくらいじゃ起きるはずがない。
どのくらい酸素の供給が止められたらそこまでになるんだろう。
お腹の中で何が起きてるんだろう。
何もわからない。
(深呼吸、深呼吸)
それでも子どもを助けるにはそれしかないんだと思ってゆっくりと呼吸を続けた。
次の陣痛の波が来た。
(深呼吸、深呼吸)
落ち着いて呼吸してれば大丈夫。そう考えて息を吸って吐くことに集中した。
なのに。
「ごめん、ちょっと入るよ!」
今度は師長と先程の助産師さんの2人が駆け込んできた。
「大丈夫? 息止めてない? ちゃんと息してる⁉」
「はい」
「赤ちゃんまた心拍下がってる!」
「え?」
ちゃんと呼吸してたのに、なんで?
赤ちゃん苦しいの? わたしにはわからなかった。
赤ちゃんが死にかけてるのに、わたしにはわからなかった。
ぞっとした。泣きたかった。もうどうしていいのかわからなかった。
ずっと一緒にお腹にいたのにこの子はどうなっちゃうの?
会えないの? もうだめなの?
ずっと元気って言われてたのに?
なんで?
わたしは呆然とするばかりだった。
胎児の心拍は通常120~130くらいあるのだがそのときは50にまで下がっていたと、後から知った。
ずっと安定していた心拍のグラフが2度、大きく下がっていたのを今でも覚えている。

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